映画の帰り道、ギャラリーシルクロに寄ってみました。
交通事故でまひした右手に筆を持ち、書道を続けるみやき町の本村好広さん(37)の個展「青春の書」が、開かれていました。
山頭火の句や、旅先の感動などを表現した力強い筆づかいは、素晴らしい。
本村さんは2歳の時にバイクにはねられ、左目を失明、右半身が不随になった。当初、右腕はまったく動かず、小学3年で、リハビリも兼ねて書道教室に通い始めた。初めて書いた文字は「犬」。手のひらを開けず、こぶしに筆を差し込んで書いた。線はゆがみ、点も払いもうまくいかなかった。真っすぐな線を引けるまで、3カ月かかったという。
その後、練習を重ねて上達し、篆書(てんしょ)などの難しい書体にも挑戦。2004年には県障害者作品展で金賞を受賞した。今では手のひらを広げられるようになり、5年ほど前から週5日は町内の障害者自立支援施設で働きながら、書を続けている。
作品展には、山頭火の句や母を亡くした政子さんに贈った「母子草」、大分県の久住山山頂から見たミヤマキリシマの美しさを34の「山」の文字で表現した作品などが並ぶ。本村さんは「1枚に1時間かかるほど、全身のエネルギーを使って書いた。多くの人に見てほしい」と来場を呼び掛けている。入場無料。シルクロ=050(1136)4661。
=2011/07/16付 西日本新聞朝刊=より
6月29日水〜7月18日月
(月、火お休み)
11時〜19時(金のみ21時まで)
もとむらよしひろ
1974年 みやき町出身
1988年 久留米石橋文化館で初個展
久留米障害者美術展、佐賀県障害者作品展で金賞、奨励賞、優秀賞等多数受賞
目にしたもの、感動したもの、体験したもの、作品にはストーリーがあります。